2026年1月22日 アップデート版
カットの時に髪に付ける「白い粉」の正体は?
カットの途中で、髪に白い粉をパパッと付けることがあります。「えっ、何これ?」と驚かれる方もいらっしゃいますが、これは「打ち粉(うちこ)」と呼ばれる、理容師(床屋さん)ならではの道具です。
なぜ、わざわざ白い粉を付けるのか? その理由をお話しします。
■ 1ミリの妥協も許さない「面の精度」を上げるため
写真(右上)のような、面をキッチリと出す「角刈り」や「スポーツ刈り」を作る際、この粉が真価を発揮します。

「差し毛」を見極める: 刈り上げの面からピョコンと飛び出した毛(差し毛)を白く際立たせ、一本残らず仕留めるためです。
面のデコボコを確認する: 白い粉が付くことで、面が平らになっているか、微妙な凹凸がないかを視覚的に強調します。
たまに、写真(右下)のようなザクザクした質感のカットでも、ラインを確認するために使うことがありますが、基本的には職人技が光る「キッチリ系のスタイル」に欠かせない相棒です。
■ 「粉がなくなるまで切ればいい」というほど甘くない
以前、お客様から「俺、知ってますよ!粉が見えなくなるまでカットすれば綺麗になるんでしょ?」と言われたことがありました。
確かに、理論としては「当たらずといえども遠からず」なのですが……。
残念ながら、素人さんやアシスタントが粉の見えなくなるまでカットしても、決して綺麗にはなりません。
■ 「角刈り」は理容カットの最難関
多くの方は「角刈りやスポーツ刈りは、丸刈りの延長で簡単でしょ?」と思っていらっしゃいます。
しかし、実は理容師のカットにおいて一番難しいのは角刈りだと言われています。
正確なハサミの運行
迷いのないバリカンの角度
そして打ち粉を使って面を研ぎ澄ます眼力
これらを習得し、お客様が納得する「綺麗な角刈り」が切れるようになるまでには、途方もない年月と修行が必要です。