店長、いろいろ大変そうだから新しいスタッフを入れたらどうですか?
「店長、いろいろ大変そうだから、新しいスタッフを入れたらどうですか?」

「スタッフを入れたらどうですか?」というご質問について
このようなお気遣いのお言葉を頂くことがあります。
まず前提として、現在、どの業界も慢性的な人手不足です。
もちろん、理美容業界も例外ではありません。
ですが、スタッフを募集していない理由は、人手不足だけではありません。
私は、このご質問を頂いた時に必ず、次の話をします。
「では、仮にスタッフが入ったとします・・・」
「カットは私(または妻)が担当して、その後のお顔剃りやシャンプー、ブローをスタッフへ交代した時に、『あれっ?店長(奥さん)、交代しないで最後までやってくれないんですか?』と絶対に言わないと約束できますか?」
すると、大半のお客様が苦笑いしながら、「や……約束できません(笑)」と答えられます。
私はそこで、「でしょ?言うでしょ?絶対にその話になるから、スタッフ募集をしないんです。」とお話ししています。
このご質問をされるお客様は、心のどこかで、「他のお客さんはともかく、自分だけは特別に最後まで交代せずにやってもらえるはず・・・」と思っていらっしゃいます。

しかし、スタッフを雇った以上、そのスタッフにも仕事を任せなければ、お店として成り立ちません。
給料を支払う以上、施術も担当してもらう必要があります。
そのため、
「私は最後まで店長に担当してほしい。」
「私は途中で担当を交代してほしくない。」
という「自分だけは特別に最後まで」というご希望をお受けすることはできません。
だから現在の営業スタイルを続けています。
無理にスタッフを増やして、
「あのお客さんは最後まで店長が担当しているのに、どうして自分は途中で交代なんですか?」という思いや誤解を生んでしまうくらいなら、最初からスタッフを雇わない。
これが、私たち夫婦の考え方です。
もちろん、理美容業界全体の人手不足という現実もあります。
ですが、それ以上に前述のようなやり取りを考えると、現在の営業スタイルがお客様にとって一番公平だと考えています。
予約の取りやすさよりも、「担当者が途中で変わらない安心感」を優先した結果が、現在の営業スタイルです。
その代わり、一日に担当できる人数には限りがあるため、ご予約が取りづらい日もあり、ご不便をお掛けすることもございます。
ですが、すべてのお客様へ公平に技術とサービスをご提供するための営業方針です。
何か新しいご提案やアドバイスをいただけること自体は、本当にありがたく思っています。
ですが、新しい取り組みには、必ずメリットとデメリットがあります。
今回の「新しいスタッフを入れたらどうですか?」というご提案についても同じです。
確かにスタッフが増えれば、ご予約は今より取りやすくなるでしょう。
急なメニュー変更や、ご予約時間に遅れてしまった場合でも、対応できる可能性は高くなるかもしれません。
ですが、その反面、担当者が途中で交代する機会は確実に増えます。
また、スタッフにも給料を支払う以上、施術を担当してもらう必要があります。
その結果、
「店長(奥さん)が最後まで担当してくれると思っていました。」
「私は途中で交代してほしくありません。」
というご希望にお応えすることはできなくなります。
「店長、○○すれば良いのに」というご提案には、その反対側にあるデメリットも含めて考える必要があります。
私たちは、これからもメリットとデメリットの両方を考えながら、お客様にとって最善だと思える営業スタイルを続けてまいります。
ご理解いただけますと幸いです。
